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RoHSに関するQ&A

RoHS指令と半導体製造装置 [2006/11/01]
SEAJ環境情報専門委員会


質問をクリックすると、回答にジャンプします。


Q1 RoHS指令の正式な名称、及び加盟国の義務は何でしょうか?
Q2 WEEE指令とは何でしょうか、またRoHS指令との関係はどうなっていますか?
Q3 RoHS指令は、いつ発効されたのでしょうか?
Q4 各国の国内法作成は完了しましたか?
Q5 RoHS指令はどのような要求内容でしょうか?
Q6 RoHS指令の対象製品は何ですか?
Q7 半導体製造装置は、RoHS指令の適用となるのでしょうか?
Q8 装置の一部(コンピュータなどのユニット)が対象になりますか?
Q9 半導体製造装置メーカーとして、RoHS指令にどう対応すべきでしょうか?
Q10 RoHS指定物質は人の健康に対しどんな影響があるのでしょうか?
Q11 これらの物質は半導体製造装置のどのような部品に使われているのでしょうか?また、その代替技術は確立されているのでしょうか?
Q12 RoHS指令の適用除外及び、RoHS指定物質の最大許容値(閾値)はいくつですか?


Q1 RoHS指令の正式な名称、及び加盟国の義務は何でしょうか?
A1 RoHS(Restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment)指令(2002/95/EC)であり、日本語では「電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会および理事会指令」です。
EU条約第95条(加盟国の法制の近似化により、域内貿易障壁の無いEU市場を確立する)を根拠としており、各加盟国は原則として指令が示す製品基準を国内法の製品基準にすることが求められます。
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Q2 WEEE指令とは何でしょうか、またRoHS指令との関係はどうなっていますか?
A2 RoHS指令の姉妹指令として同時制定されたWEEE(Waste Electrical and Electronic Equipment)指令(2002/96/EC、「廃電気電子機器に関する欧州議会および理事会指令」)は廃電気電子機器の回収リサイクルを生産者に義務付けるもので、EU条約第175条(環境保全、保健・衛生の確保など)を根拠としている為、各加盟国は国内事情を考慮し国毎の裁量を盛り込んだ国内法を制定します。
両指令の対象製品カテゴリー、及び各カテゴリーに該当する製品例を示すリストがWEEE指令の附属書1A、1Bに掲載されています。
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Q3 RoHS指令は、いつ発効されたのでしょうか?
A3 2003年2月13日にWEEE指令とRoHS指令がEU官報に告示され、両指令は同日付けで発効しており、EU加盟国は2004年8月13日までの国内法制定・発効を求められました。
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Q4 各国の国内法作成は完了しましたか?
A4 全EU加盟国(25ヶ国)でRoHS指令の国内法が完成済みであり、2006年7月1日に運用開始されます。
WEEE指令はほとんどの加盟国で法制化が済み、運用開始国がかなりありますが、製品回収システム整備が遅れている国も多くあり、英国では法令も未完成(2006年5月時点)です。
WEEE指令の運用開始は2005年8月が本来の期限ですが、ほとんどの国が遅れ、各国毎に開始時期や実施内容がかなり異なっているようです。
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Q5 RoHS指令はどのような要求内容でしょうか?
A5 その概要は、「2006年7月1日以降、上市される新しい電気電子機器が下記の6物質を含有してはならない」との要求事項です。
1) 鉛
2) 水銀
3) カドミウム
4) 六価クロム
5) PBB(ポリ臭化ビフェニール)
6) PBDE(ポリ臭化ジフェニールエーテル)
ただし、上記の物質には適用除外があります。これらをA12に示します。
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Q6 RoHS指令の対象製品は何ですか?
A6 RoHSは、WEEE指令の付属書IAに定める10のカテゴリーならびに電球および家庭用照明器具に適用するとしています。但し、8),9)の電気電子機器は現時点では適用除外ですが、追加の検討がなされています。
次のカテゴリーで、交流1000ボルト、直流1500ボルトを超えない定格電圧で使用する電気電子機器に適用されます。
 
WEEE指令で範囲とする電気電子機器のカテゴリー
1 大型家庭用電気製品 Large household appliances
2 小型家庭用電気製品 Small Household appliances
3 ITおよび遠隔通信機器 IT and telecommunications equipment
4 民生用機器 Consumer equipment
5 照明装置 Lighting equipment
6 電動工具(据え付け型の大型産業用工具を除く) Electrical and electronic tools(with the exception oflarge−scale stationary industrial tools)
7 玩具、レジャーおよびスポーツ機器 Toys, leisure and sports equipment
8 医療用デバイス(すべての移植製品および感染した製品を除く) Medical devices(with the exception of all implanted and infected products)
9 監視および制御機器 Monitoring and control instruments
10 自動販売機類 Automatic dispensers
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Q7 半導体製造装置は、RoHS指令の適用となるのでしょうか?
A7 現状では、次の理由で半導体製造装置が適用範囲に入るかどうか不明確です。
 
1) 半導体製造装置は、上記1〜10のカテゴリーのいずれにも属さないので、RoHS指令適用外との見方もあります。 しかし、半導体製造装置には多様な種類がある為、カテゴリー9)に属するとの見方と、カテゴリー6)の除外項目である「据え付け型の大型産業用工具」に属するとの見方があります。
2) カテゴリー8)と9)に属する電気電子機器は、現状RoHS指令の適用除外ですが、今後適用範囲に含める為の検討がされています。この検討は、本来2005年2月13日までに終了し、指令の修正案が作られるべきでしたが、大幅に遅れて2005年2月中頃より検討が開始されています。
3) 上記1〜10のカテゴリーに属する製品リスト(WEEE指令附属書TB)は、単なる例示であり、製品リスト以外の製品も対象になる可能性があります。
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Q8 装置の一部(コンピュータなどのユニット)が対象になりますか?
A8 そのユニットが単体でも使用可能な汎用品で、カテゴリー1)〜7)、10)に該当する場合(例:コンピュータ)対象になるとの見方が一般的です。
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Q9 半導体製造装置メーカーとして、RoHS指令にどう対応すべきでしょうか?
A9 顧客のグリーン調達基準に、RoHS指令の指定物質に対する規制要求を入れているケースが、多く見受けられます。現状の多くは、顧客の製品に使用している部材を主体に規制の要求をしていますが、生産設備に対して要求しているケースもあります。これらの動きは、今後さらに拡大するものと思われます。
対応としては、装置を構成している部品等に、RoHS指令の指定物質が含有しているか調査し、含有している場合は、その代替の検討が必要になります。代替には、技術的、経済的、時間的問題の発生が明らかですので、計画的な取り組みが必要となります。 顧客からグリーン調達の要求が高まっている事とカテゴリー8)と9)をRoHS指令の適用範囲に入れる為の検討がされている事等の動きを踏まえ、CSRの観点から各社の判断で取り組むべきであると考えます。
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Q10 RoHS指令指定有害物質は人の健康に対しどのよう影響があるのでしょうか?
A10 次のような健康への影響が云われています。
 
中枢神経系機能障害、 発ガン性
水銀 脳障害、精神障害、水俣病
カドミウム 腎機能障害、生殖障害、イタイタイ病
六価クロム 発ガン性
PBB 生物体内蓄積性、生体有害性
PBDE 生物体内蓄積性、生体有害性
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Q11 これらの物質は半導体製造装置のどのような部品に使われているのでしょうか?また、その代替技術は確立されているのでしょうか?
A11−1 下表を参照下さい。
 
RoHS指定物質名 含有可能性部品例 代替技術
1) 共晶はんだ
2) 鉛蓄電池
3) 快削合金
4) x線使用分析機器、イオンインプラント装置のx線シールド
5) 鉛ガラス(シールガラス、CRT、ダイオード、光学レンズ)
6) 圧電素子(超音波発振素子その他)
7) 塩ビその他樹脂の配合材(顔料、ステアリン酸鉛等)
1)鉛フリーはんだに移行
2)Ni/H, Liイオン電池
3)鉛フリー快削合金に移行
4)鉛代替用樹脂など
5)CRT以外は無鉛化試行中
7)色変更、ステアリン酸錫など
水銀
1) 水銀電池
2) 水銀リレー
3) 蛍光灯・水銀ランプ・液晶バックライト
1) 1955生産中止。アルカリボタン電池、水銀電池アダプター等に既に移行。
2) 設計変更可能な場合も。
3) 原理的に代替困難。使用量削減アプローチ。
カドミウム 1)ニカド電池
2)CdS系素子
3)塗料中顔料
4)樹脂安定剤
5)リレー接点
1)Ni/H、Liイオン電池
2)特殊用途
3)顔料変更
5)銀スズインジウム
六価クロム
1) クロムメッキ(製品には含まれない)
2) クロメート処理 (亜鉛メッキ表面等)
1) 三価クロムメッキで代替可能の場合あり。
2) 三価クロメート処理
PBB 樹脂、繊維等配合臭素系難燃剤 他の物質に代替済み
PBDE 樹脂、繊維等配合臭素系難燃剤 他の物質に代替移行中
A11−2 関連する部品等についてこれらの物質の削減背景、今後の動向などについて以下に参考情報をまとめました。
 
RoHS指定物質名 含有可能性部品例 代替技術
1) 共晶はんだ
2) 鉛蓄電池
3) 快削合金
4) x線シールド
5) 鉛ガラス
6) 圧電素子
7) 塩ビその他樹脂の配合材
1) 鉛フリーはんだの主流になりつつある。
2) 鉛使用量の80%は鉛蓄電池。
3) 切削性、切屑処理性をそこなわない鉛フリー化が進みつつある
4) X線防護ゆえ代替は困難も、X線強度によっては代替樹脂の検討余地あり
5) 光学レンズでは新製品設計時に鉛フリーを推進。ただし、特殊製品では困難な場合もある。CRTはX線防護のため、代替困難であり、現状では規制対象外
6) 性能保持の点で代替困難であり、現状では規制対象外
7) 透明塩ビ材では従来からステアリン酸錫配合
水銀
1) 水銀電池
2) 水銀リレー
3) 蛍光灯・水銀ランプ・液晶バックライト
1) アルカリ乾電池も亜鉛電極に水銀が塗布されていたが、現在は水銀フリーに既に移行済。  1996年末をもって、日本国内メーカーからの水銀電池の出荷が終了。
3) 代替技術が確立するまでは、回収ルートを確立して対応する。また、蛍光灯はリサイクルシステムが確立されている。
カドミウム 1)ニカド電池
2)CdS系素子
3)塗料中顔料
4)樹脂安定剤
5)リレー接点
1) カドミウムは年間2290トン生産され、その75%が蓄電池に用いられている。代替は電流供給能力から、Ni/H電池有利か。
2) 照度センサー等ではフォトICによる代替化が進む
3) 硝酸カドミウムは腐食防止塗料として使用される場合がある。
4) 炭酸カドミウムは、塩化ビニルの安定剤として使用される場合がある。
六価クロム
1) クロムメッキ(製品には含まれない)
2) クロメート処理 (亜鉛メッキ表面等)
1) 「三価クロムメッキ」は「6価クロムメッキ」の最有力代替技術。但しメッキ厚(防錆性)、コストに注意
2) 六価クロメート処理表面膜には微量の六価クロムが含まれる。樹脂皮膜鋼板には下地としてクロメート処理したものがあるので注意。(クロムフリーの代替商品あり)
PBB 樹脂、繊維等配合臭素系難燃剤 生産中止済み(日本のみ)
PBDE 樹脂、繊維等配合臭素系難燃剤 日本では早くから使用されていないか、使用量が少ない。ただし、欧州、アジア、米国では使用しているので輸入品には要注意
※代替素材の赤燐系難燃剤が事故を起こした報道があるので注意
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Q12  RoHS指令の適用除外及び、RoHS指定物質の最大許容値(閾値)はいくつですか?
A12 RoHS指令の適用除外を示した、現時点の附属書内容は以下のとおりです。
 
除外 説明
1 ランプ1本あたり5mgを越えない範囲の小型蛍光灯に含まれる水銀
2 一般目的用の直管蛍光灯に含まれる以下のものを越えない水銀
- ハロゲン化リン酸塩 10mg
- 通常耐久性蛍光灯中の3リン酸塩 5mg
- 長期耐久性蛍光灯中の3リン酸塩 8mg
3 特別な目的用の直管蛍光灯に含まれる水銀
4 本付属書に特に定められていないその他のランプに含まれる水銀
5 ブラウン管、電子部品および蛍光灯のガラスに含まれる鉛
6 合金成分として、鋼材に含まれる0.35wt%までの鉛、アルミ材に含まれる0.4wt%までの鉛、および銅合金の4wt%までの鉛
7 - 高融点はんだに含まれる鉛(すなわち鉛含有率が85%を超える錫/鉛はんだ合金
- サーバ、ストレージおよびストレージ・アレイ・システムのはんだに含まれる鉛(2010年まで除外)
- 電子セラミック部品に含まれる鉛(例、電圧デバイス)
8 危険物質および調剤の上市と使用の制限に関する指令76/769/EECの改正指令91/338/EECに基づき禁止された用途を除くカドミウム表面処理
9 吸収型冷蔵庫のカーボン・スチール冷却システムの防錆用としての六価クロム
9a 高分子アプリケーション中のデカ臭化ビフェニール(デカDBE)
9b 鉛/青銅ベアリングシェルおよびブッシュに含まれる鉛
11 コンプライアントピン・コネクタ・システム(compliant pin connector systems)に使われている鉛
12 熱伝導モジュールCリング用コーティング材に含まれる鉛
13 光学ガラスとフェルターガラスの中の鉛とカドミウム
14 マイクロプロセッサのピンとパッケージの結合用で2種類を超える成分で構成されるハンダ中の鉛で80wt%超85wt%未満のもの
15 集積回路フィリップ・チップパッケージ内で半導体のダイとキャリアを電気結合させるハンダの中の鉛
16 集積回路フィリップ・チップパッケージ内で半導体のダイとキャリアを電気結合させるハンダの中の鉛
17 プロフェッショナル向け複写用途に使用される高輝度放電(HID)ランプ中の放射媒体としてのハロゲン化鉛
18 BSP(BaSi2O5:Pb)等の蛍光体を含む日焼け用ランプとして、およびSMS((Sr,Ba)2MgSi2O7:Pb)等の蛍光体を含む、ジアゾ印刷複写、リソグラフィ、捕虫器、光化学、硬化処理用の専用ランプとして使用される放電ランプの蛍光体の付活剤としての鉛(重量比1%以下の鉛)
19 非常にコンパクトな省エネルギーランプ(ESL)における、主アマルガムとしての特定の組成物PbBiSn-HgおよびPbInSn-Hg、ならびに補助アマルガムとしてのPbSn-Hgの鉛
20 液晶ディスプレイ(LCD)に使用される平面蛍光ランプの前部および後部基板を接合するために使用されるガラスの中の酸化鉛
21 耐熱ガラス(ホウケイ酸ガラス)用のインクの鉛とカドミウム
22 光ファイバー通信システムに用いられるRIG(希土類鉄ガーネットフェライト)電磁回路子の不純物としての鉛
23 0.65mm以下のピッチのNi-Feリードフレームにコネクター以外のファインピッチ部品の仕上げ処理中の鉛、及び0.65nm以下のピッチのCuリードフレームのコネクター以外のファインピッチ部品の仕上げ処理中の鉛
24 セラミック多層コンデンサに円形で平面的に配置された貫通穴が機械加工されたものに、はんだ付けするためのはんだ中の鉛
25 プラズマディスプレイパネル(PDP)と表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)の構成部品に使用される酸化鉛:多くは、プリント印刷されている前面および後面ガラス誘導体層、バス電極、アドレス電極、バリアーリブ、シールフリット、フリットリング中の酸化鉛
26 ブラックライトブルー(BLB)ランプのガラス筒中の酸化鉛
27 ハイパワースピーカー(数時間125db SPLまたはそれ以上の音圧レベルで数時間の使用を想定して設計されたもの)で使用される転換記のはんだ中の鉛含金
28 無塗装金属板およびファスナーの暴食防止用材の六価クロム防食剤、および2002/96/EC指令のカテゴリー3の製品(IT及び通信設備)内の電磁シールドに含まれる六価クロムを2007年7月1日まで除外を認める
29 指令69/493/ECC(注)の別表1(カテゴリ1、2、3及び4)で定義されたクリスタルガラス中の鉛
(注)EU官報 L29、1969年2月1日 p36、指令は加盟の2003年までに修正済み
また、RoHS指令で使用が禁止される6物質の最大許容値(閾値)については、2005年8月19日にEU官報において「委員会決定(2005/618/EC)」として告示され『鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDEについては均質材料で重量比0.1%の最大濃度値でカドミウムについては均質材料で重量比0.01%の最大濃度値が許容されなければならない』の内容となっています。

* 「均質材料」とは、機械的に異なる材料に分解*できない材料をいい、「均質材料」の例として、プラスチック、セラミックス、ガラス、金属、合金、紙、板(board)、樹脂、コーティングなどです。

* 「機械的に分解」とは、原則として、物質がビスはずし、切断、粉砕、研削、研磨の工程などの機械的な行為により材料が分解できることを意味しています。
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