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Display Week 2017 報告

22 SEAJ Journal 2017. 8 No. 158光板とを組み合わせた円偏光板が電極からの反射光をカットするように配置されている。従来の偏光板は、図19に示すように短波長での光学性能が悪く、青色の発光効率をさらに減少させる。現在、OLED に用いられている偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系のフィルムをヨウ素で染色して伸縮させるヨウ素系の偏光板である。偏光性能は、長波長のヨウ素錯体I5- および短波長のヨウ素錯体I3- によって生成される。しかしながら、ヨウ素錯体I3- は良好な分極性能を達成することができない。したがって、従来の偏光板を使用してOLED 電極から光をカットすると、青色光の透過率が低下する。OLED からの青色光の発光効率を改善するために、短波長で高い透過率を有する新しい染料系の偏光板を開発した。OLED はスマートフォン用フレキシブルディスプレイとして実用化され注目を浴びている。しかし、青色光の発光効率には依然として課題があり、消費電力のほとんどが青色光に費やされている。また、OLED では電極からの反射を抑制するために 偏光板を備える必要があるが、従来の偏光板は青色光の透過性能が悪いため、発光効率をさらに低下させ、低消費電力、長寿命化を妨げる原因となっている。OLED の発光効率の課題を解決するため、新規高性能染料と優れた配向技術により、青色光の透過性能を大幅に向上(従来比約20% 向上)させた新規な染料系偏光板を開発した。反射防止性能と染料系偏光板の特徴である高温、高温高湿環境下での安定性も併せ持つ。新染料系偏光板は、OLED の低消費電力化、長寿命化、さらには車載ディスプレイのような高耐久用途への展開にも貢献できると考えている。図19に単一状態および直交状態におけるプロトタイプのスペクトル特性を示す。プロトタイプの特性は、シミュレーションで得られたものと同じであった。450nm での単体透過率は48%で、450nm、550nm および600nm での直交透過率は7%以下である。色度a* およびb* は、それぞれ5.9および-7.4であった。 RG 波長における単体透過率の減少は約5%で、シミュレーション値に近い値である。図20にOLED 上の偏光板の写真を示す。新規偏光板は従来品位比べ、正面および斜め方向のいずれも青色の透過率と色合いが改善されていることが分かる。95℃および105℃の高温試験と65℃ / 95%の高温高湿試験を行った結果を図21に示す。新たに開発した染料系偏光板は、従来品に比べ耐久性があることが分かった。4.おわりに今年のSID のトピックスは、フレキシブルOLED、マイクロLED、車載用ディスプレイなどであった。ここで紹介した新技術は、ほんの一部であり紙面の関係で取り上げられないのが残念である。来年のSID も同じ場所で5月20日から25日に開催予定である。過去のSID は西海岸と東海岸での開催が交互であったが、アジア特に中国からの参加者を目当てに当分は西海岸開催が継続するであろう。著者はSID に1984年に初めて参加し発表したが、SID は学会でないといわれた先生がおられた。最近のSID ではSymposium の始まる前に学会の収支が発表されるが、まさしく学会ではなくビジネスが第一とみるべきである。図18 OLED のデバイス構造(ポラテクノ資料)図19 新規開発偏光板の特性(ポラテクノ資料)図20 OLED ディスプレイ上の偏光板(ポラテクノ資料)図21 透過率(Yc) の高温および高温高湿試験結果(ポラテクノ資料)