ブックタイトルSID2016に見るディスプレイ最新技術

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SID2016に見るディスプレイ最新技術

36 SEAJ Journal 2016. 8 No. 154今年のSID で報告されたプロセスは搬送用ガラス基板に無色ポリイミド(PI)膜を塗布・焼成することでフレキシブルLCD 用基板としている。LCD 駆動にはa-Si TFT を用いているため、基板のガラス転移温度は200℃以上が求められる。PI膜とガラスとの剥離には、レーザ・リフトオフが用いられている。これらの工程は、フレキシブルOLED と変わらない。ただ、実際にプラスチックLCD を作製しガラス基板のLCDと特性に差異がないことを確認したことは評価に値する。基調講演でJDI の大島氏がフレキシブルディスプレイはOLED と断言したが、本当にそうだろうか。しかも、先行する韓国メーカーに勝算があるのだろうか。甚だ疑問である。著者は、基板にはナノペーパーを用い、駆動には有機薄膜トランジスタ、セルプロセスはスロット塗布を用い、ロール・ツー・ロールを実現すること提唱しているが、実用化が急務である。5.展示会(1)LG Display会場の入り口に最大規模のブースを構えているのがLGDisplay である。会場に入ると、77型UHD(3840 x 2160)のAMOLED が目に飛び込む。HDR(High DynamicRange)対応で、図8に示すように、120Hz の高速駆動や、色再現、コントラストなどの表示性能をアピールしていた。輝度800nit、黒レベル0.0005nit 以下。コントラスト比1milion:1という。ただし、この値は暗室での測定値であり周囲光によりOLED パネル表面反射が黒レベルを増加させるため、コントラスト比は減少する。さらに、65型UHD(3840 x 2160) 曲げ半径500R のC o n c a v e A M O L E D や5 5型F H D(1 9 2 0 x 1 0 8 0)Transparent AMOLED(透過率40%)など、AMOLED のオンパレードであった。(2)Japan Display Inc.図9に展示会などで公開したフレキシブルTFT-LCD は、曲率半径500mm で曲げていた。ディスプレイ全体の厚みは400μ m。ポリイミドとアクリルから成るプラスチック基板1枚の厚みは10μ m である。今後の開発課題の1つはバックライト。現在のLED バックライトでも、導光板は薄く、ある程度曲げることはできる。しかし、折りたたむように曲げるには、もっと薄いバックライトが必要になるという。(3)量子ドット(Quantum Dot)昨年、欧州委員会は、「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する EU 指令(RoHS 2)」についての量子ドット材料に適用除外を認めた。この決定は、「量子ドットを使った色変換 LED は、エネルギー効率と発色性能について相当な利点がある。量子ドットはすでにディスプレイに用いられており、今後は照明の用途にも導入されるだろう。ディスプレイにおける量子ドットの使用は、省エネ特性において環境全体に良い影響がある」と述べている。さらに「ディスプレイ/照明用途に使うための、波長変換用カドミウムベース半導体ナノクリスタル量子ドット中のカドミウム(Cd」使用は、2018年6月30日まで禁止の適用除外とすべきである」とも述べている。しかし、今年の展示会ではCd フリーの量子ドットの展示があった。しかも、今回の展示会では、OLED に対抗して量子ドット陣営の攻勢も少なくなかった。Nanosys とQD Vision は、AMOLED と量子ドットTFTLCDを並べ展示し、量子ドットの利点を強調した。QDVision によると、量子ドットがOLED より消費電力が最大50%少ないことをアピールした。また、Nanosys は図10に示すように、LG のWOLED(白色OLED とカラーフィルタ構造)パネルが輝度500nit、色再現範囲<89% DCI-P3で焼き付き(Burn-in)が課題である。一方、Cd フリー量子ドットをバックライトに用いたTFT-LCD は、輝度1200nit、色再現範囲90% PCI-P3で信頼性に優れている点を強調した。図8 LG Display 77” UHD AMOLED(会場で著者撮影)図9 シートLCD の層構造と表示例(JDI 資料)図10 量子ドットによるTFT-LCD の色再現範囲拡大(展示会場で著者撮影)