ブックタイトルSID2016に見るディスプレイ最新技術

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SID2016に見るディスプレイ最新技術

SID2016 に見るディスプレイ最新技術SEAJ Journal 2016. 8 No. 154 37(4)E-Ink台湾E Ink Holdings のカラー電子ペーパー(AdvancedColor ePaper)が注目を集めた。理由は、従来に比べて、表示が格段に明るくきれいになったことによる。新開発のカラー電子ペーパーは、表示が暗くなる原因だったカラーフィルタを使わない。従来は白黒表示の電子ペーパーにカラーフィルタを積層しカラー表示を実現していたが、今回の開発品は4色の粒子の移動によってカラーを表示する。白、イエロー、マゼンタ、シアンの4色の粒子を使う。ディスプレイの表面にどの色の粒子を移動させるかによって、表示色を制御する。また、粒子の組み合わせも利用する。例えば、シアンとマゼンタの粒子を表面に移動させると青色表示に、イエローとシアンの粒子を表面に移動させると緑色表示になる。どの色の粒子を表面に移動させるかは、駆動電圧と電圧の印加時間によって制御する。例えば、駆動電圧は低いが移動に時間が掛かる粒子A と、駆動電圧は高いが移動は速い粒子B があるとする。粒子はマイクロカップと呼ばれる微小な器状のものに入れる。粒子A だけをディスプレイの表面(マイクロカップの上面)に移動させるには、低い電圧を長時間にわたって印加し続ける。粒子B は動かないのに対して、粒子A はゆっくりだがディスプレイの正面に移動する。一方、粒子B だけをディスプレイの表面(マイクロカップの上面)に移動させるには、高い電圧を短時間だけ印加する。粒子A がディスプイの表面に移動する前に、粒子B が先にディスプレイ表面に移動する。ここで印加電圧をオフにすればいい。図11にAdvanced Color ePaper(ACeP)を示す。サイズは20型、画素数は2,650 x 1440 で解像度は150ppi でる。なお、表示の書き換えに時間が掛かるため動画には向かないが、静止画表示なら書き換え時にしか問題にならない。現時点では、電子書籍端末などへの導入は発表されておらず、最初はデジタルサイネージ向けに展開していくという。また、画面を曲げることのできる電子ペーパーディスプレイ「Mobius」シリーズの新モデルも展示された(図12)。この電子ペーパーディスプレイは画面サイズが32型(2650×1400ピクセル、94ppi)で重さは150g。柔軟性があるため、柱などの曲面に合わせて設置できるという。消費電力は液晶ディスプレイと比べて少なく、太陽電池やバッテリでの運用も可能。こちらは現在使われている紙やプラスチックによる掲示物を置き換えるのに向いている。6.おわりにSID2016のトピックスを中心にFPD の最新技術を概説した。FPD 市場は数量ベースでは右肩上がりだが、単価の下落で金額ベースでは減少傾向である。しかし、人間にとって情報の入手の8割は目であり、インターフェースはディスプレイである。日本のFPD 産業に元気が無くなったので、大学で「ディスプレイ工学」は不要と言い憚る能無し文科省の役人。しかも、「即戦力」の教育をスローガンとするという。「即戦力」は「即戦力外」であることを肝に銘ずべし。来年2月の「これでわかったFPD 基礎からじっくり学ぶ中級コース」では、普遍的な基礎科学から講演者が実践で得た知識や知恵を受講者に惜しみなく伝授予定である。講師はOLED のパイオニアとして名高い當摩照夫氏と著者が担当する。図11 E Ink Holdings Advanced Color ePaper(会場で著者撮影)図12 E Ink Mobius(会場で著者撮影)