ブックタイトルSEMICON China 2018レポート

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SEMICON China 2018レポート

20 SEAJ Journal 2018. 4 No. 161半導体製造装置・材料の業界団体のSEMI は3月14?16日、中国・上海市でセミコン、およびFPD チャイナ展示会を開催した。セミコン・チャイナの開催は30周年にあたり、７年連続で世界最大規模の開催となった。設備投資に沸く中国の半導体業界の最新状況や中国の代表的な国産装置メーカーの動向を現地から報告する。■巨額マネーが半導体工場に流入中国政府は2014年に半導体産業の中長期発展計画（国家集成電路産業発展推進綱要）を発表し、15年に半導体産業を専門とする国家IC 産業ファンドを設立した。巨額資金が半導体業界に投入される金融スキームが誕生し、300mm 工場の投資計画は中国全土で20案件以上に及んだ（17年2月時点）。先端半導体の国産化支援政策に刺激され、中国の半導体工場の投資は今も加熱状態が続いている。中国は半導体製造装置の設備投資額で韓国と台湾に次ぐ世界3位の座にあるが、18年は中国に半導体工場の立ち上げが集中し、設備投資額は110億米ドル（約1.2兆円、前年比60％増）に跳ね上がる。中国は18年に台湾を抜いて世界２位の半導体工場の投資国に浮上すると予測されている。昨年から顕著になった半導体業界の好景気を支えているのは、主にメモリー工場投資と中国の半導体工場の新計画である。中国で18年から「爆投資」による半導体工場の立ち上げラッシュが始まり、年内に13工場（月産能力で十数万枚）が続々と立ち上がる。■日本企業の単独出展は約50社今年のセミコン・チャイナの出展企業数は約1100社、来場者は7万人を超える過去最大規模となった。例年は５棟の展示館で運営されていたが、今年は出展企業数が前年比で18％増加し、展示棟を１つ追加した。また、中国で半導体工場の投資が活発化し、日本企業の出展が増えた。代理店ブースの間借りなどを除いて単独出展した日本企業の数は48社にのぼり、前年比で1.5倍に拡大した。展示ブースは連日とも黒山の人だかりで、「中国半導体の勢いを実感した。かつてのセミコン・ジャパンのような賑わいを思い出した」と日本の製造装置メーカー幹部（50代後半）は話す。実際にどの展示ブースを訪問しても商談客で賑わっていて、見学者の足が途絶えることはなかった。「中国は日本の26倍の国土があり、今や半導体工場の投資プロジェクトは全国に散らばっている。自分たちで営業に回っていたら、1カ月やそこらでは回りきれない」（中国経験10年以上の装置メーカー営業マン）。このような中国ならではの特殊事情も、展示会が商談の場として積極的に活用されている理由なのかもしれない。ちなみに、来年のセミコン・チャイナは19年3月20?22日、今年と同じ上海新国際博覧センターで開催予定。SEMI は毎年、展示会期間中に来年のブース申し込みを受け付けているが、次回の申し込みはすでにいっぱいで、キャンセル待ちの状態だという。（出展希望の企業は早めにお申し込みを。（SEMI China 顧客サービス部、TEL.+86-21-6027-8500、semichina@semi.org）まで。■熱い視線を注ぐ日系装置メーカー今回のセミコン・チャイナの取材中に出会った人々から共通して、「こんなに忙しい展示会は初めて。今までのセミコン・チャイナと比較しても過去最高に活気が溢れている」という声を幾度となく聞いた。実際に参加企業の声を拾ってみると、「中国は国に勢いがある。先端半導体を国産化しようと本気になっている今が大きなチャンス」（日新イオン機器の長井社長）。中国はまだ半導体の底力を身につけていないが、急激に立ち上がろうとする意欲が見える。「今は技術の遅れをキャッチアップしようともがいているが、必ず近い将来に克服するだろう。そうなれば、よりよい装置を求めるようになるので、装置メーカーにとってチャンス」（日立国際電気の金井専務）。このように、中国の半導体国産化の動きをチャンスと捉え、積極的にチャンスをものにしようという日本企業の熱気も強く伝わってきた。17年6月に上海の現地法人を立ち上げ、製造装置の販売とサービスを開始したレーザーテックは、今回のセミコン・産業タイムズ社　上海支局長　黒く ろまさ政　典の りよし善SEMICON China 2018レポート?セミコン/FPD チャイナ展示会と中国製造装置事情