ブックタイトルSEMICON China 2018レポート

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SEMICON China 2018レポート

SEMICON China 2018レポートSEAJ Journal 2018. 4 No. 161 23LED、リチウムイオン電池（LiB）用の製造装置も生産している。中国のエコデバイス市場の爆発的な成長に乗り、これらの装置売り上げが業績アップに貢献している。半導体用以外の装置で稼いだ資金と政府の資金支援を半導体用装置の開発資金に注入している。「近い将来、200mm やノードの低い300mm 用の製造装置では日本の装置メーカーと競合する存在になるだろう」（装置パーツメーカー幹部）。AMEC は米アプライド・マテリアルズ（AMAT）出身の中国人幹部によって、04年に上海市に設立された製造装置のベンチャー企業だ。浦東新区の金橋輸出加工区に2.8万㎡の工場敷地を持ち、半導体やLED 用の製造装置を製造している。従業員数は約500人。主力製品は、プラズマエッチング装置（65nm、45nm、28nm、22nm 以下に対応） とMOCVD 装置（青色LED 用、４インチで34枚同時処理）だ。17年は売上高が初めて10億元（約168億円）を超えた。20年は売上高を20億元（約336億円）に倍増させる目標を掲げている。■300mm 工場の新計画も続々中国には30案件以上の300mm 工場の立ち上げ計画があり、そのうちの十数案件が年内に工場を稼働させる。政府の支援が中国の半導体工場投資の原動力になっているが、政策や資金だけでは先端半導体の国産化の実現は難しい。「まだ多くの人材や知的財産権が不足しているし、中国企業による買収に対した外国政府の警戒も強まっている」（セミ・チャイナの居龍総裁）。中国は半導体工場の投資計画が多く、政府はそのための資金力もある。しかし、それを実現するだけの技術や人材が不足している。工場を立ち上げ始めたものの、量産体制に移行できずに苦戦するという現実も徐々に垣間見られるようになってきた。これはちょうど2005年前後の中国の200mm 工場の投資ラッシュ直後の状況に似ている。それにもかかわらず、中国ではあいかわらず新工場の投資計画が水面下で進行している。セミコンチャイナの期間前後にも数件の新プロジェクトの情報が著者のもとに入ってきた。これらについては、その真偽を確認して電子デバイス産業新聞で報道していくので、今後も是非ご注目いただきたい。李克強首相は3月初旬に開催された中国の国会にあたる第13回全国人民代表大会（通称：全人代）の施政方針演説で、新興産業を後押しするためにビッグデータやAI（人工知能）の利用を拡大するという方針を示した。また、製造業では集積回路（IC）や5G 通信、航空機エンジン、エコカー、新材料の発展を支援すると明言した。国の政策指針を示す公の場で、IC を具体的に名指しすることはこれまではなかった。それだけ中国は国是として先端半導体の国産化を何がなんでも成し遂げる構えだ。その達成までの時間軸は、一般的な日本企業の物差しとは異なる。20年までは海外企業が中国の半導体工場投資を牽引し、量産技術の取り込みに成功した中国企業が20年以降に商業生産を始めると予測している。18年のセミコン・チャイナで発見！　?シリコン材料の展示展示会場のあちこちでシリコン材料（インゴットやウェーハ、エピウェーハ）の展示を見かけた。中国はジンセミ（新昇半導体材料、上海市）が300mm 口径のウェーハを国産化したが、まだ商業生産には入っていない。しかし、200mm 口径のインゴットの引き上げやウェーハ加工をしているメーカーは多い。インゴットを展示していたのは、中環半導体（天津市）やフェローテック（上海市）、AST（超硅半導体、重慶市）など。エピウェーハの展示をしていたのは、シムグイ（新傲科技、上海市）や国盛電子（江蘇省南京市）など。引き上げ装置の展示をしていたのは、晶盛機電（浙江省上虞市）と大連数控（遼寧省大連市）など。これから中国で300mm と200mm 工場の新設・拡張が続く。これらの工場の量産をさせるには、中国だけで100万枚単位のウェーハ能力の増強が必要だ。中国政府はこれを国産ウェーハでカバーしようと考えている。AMEC の1X 対応のプラズマエッチング装置「Primo nanova」のサンプル模型中環半導体（天津）は200 mmインゴット（長さ4 m）を展示