ブックタイトルセミコンコリア2018と韓国半導体事情

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セミコンコリア2018と韓国半導体事情

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セミコンコリア2018と韓国半導体事情

18 SEAJ Journal 2018. 4 No. 161た。同社の営業利益は前年比154%増の1909億ウォン(約190億円)を収めた。また、SFA は2兆ウォンをやや及ばない売上高(1兆9203億ウォン)を計上。とりわけ、同社は業界トップのセメスより多い2360億ウォン(約236億円)の営業利益を収めて、高収益に対する秘訣に関心が集まった(図表2)。ガン・ホギュ、サムスン電子半導体研究所長(副社長級)は、1月31日、セミコンコリアの基調講演で「次世代メモリーのMRAM の場合、量産時に活用するイオンビームエッチング装置は、従来の化学方式ではなく物理的に狙う部位を削り出す方法になる」、「サムスン電子は新しいエッチング装置をラインに導入し、MRAM の量産に適用する計画だ」と説明した。サムスン電子は、段差が高いパターンをより精密に具現するために、原子層エッチング装置も開発中で、近い内に量産工程に導入する計画だ。「半導体業界は、いままで経験したことのない技術的な難関に逢着するであろう」、「関連の装置・材料メーカーが限りない努力で難関を乗り越えてきた。これからも協力メーカーとの連係を強めて、さらなる技術限界の克服に挑みたい」(ガン副社長)と力説した。サムスン電子は18年2月23日、韓国華城工場にて「華城EUV ライン」起工式を開催し、本格的な工場建設に着手した。華城EUV ラインは、19年下半期に完成し、試験生産などを経て2020年から商業生産に入る予定だ。同社の新ラインでは微細工程の限界を克服するために不可欠なEUV(極端紫外線)装置が導入されることから、サムスン電子の技術的な競争優位はさらに強まる見通しだ。メモリーは技術克服で供給過剰が必至しかし、このような韓国勢の活躍において、陰りが見え隠れするような予測に、関心が集まっている。メモリー半導体市場専門調査機関のオブジェクティブアナリシスCEO のジム・ハンディ(Jim Handy)氏は1月31日、セミコンコリアの記者会見で、「半導体サイクルは依然として存在する。18年下半期からは不況の兆しが始まる」と指摘した。ハンディ氏は「過去の事例からみると、技術進歩が渋った時に、供給不足によって価格が値上がりした」、「NAND フラッシュの場合、3D 構造への転換過程で歩留まり確保が難しくて、供給量が足りなくなった」と説明。「現状ではサムスン電子とSK ハイニックス、マイクロンがDRAM 市場で高収益を上げているが、長期的には3社のうち、1社は淘汰される可能性を孕んでいる」と観測し、メモリー半導体は技術限界を克服すると、必ず供給過剰の時代が再来すると強調した。AIoT が半導体需要の本命!!17年世界半導体市場は、メモリー価格の上昇に支えられて、未曾有の好況を迎えた。史上初めて、売り上げ規模が4380億ドルを突破。メモリー半導体が主力のサムスン電子は、年間売上高基準で世界王座のインテルを追い抜いた。18年世界半導体市場の見通しも明るい。18年売り上げ規模は4500億ドルに肉迫する見通しだ。有力半導体専門調査機関らの見通しによれば、18年半導体市場は前年比7~8%程度伸びるという。世界半導体貿易統計機構(WSTS、7%)、IHS マークイット(7.4%)、VLSI リサーチ(7.7%)などとなっている。SEMI は「18年半導体装置市場規模は、前年比7.4%増の601億ドルになる」と見通した。材料市場も「前年比3.3%増の489億ドルになる」と予想した。世界半導体市場は、近未来的にAI をはじめ、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などのための高性能コンピューティング、データセンター分野が成長を牽引するとみられる。特に、AI を搭載した自動車やIoT、センサーなどが、今後の半導体需要の本命になることが分かる「セミコンコリア2018」であった。韓国半導体に米中の牽制が本格化他方、最高潮の韓国半導体業界を取り巻く状況は米中の牽制によって、緊張感を高めている。米中の韓国牽制は、特許侵害の調査をはじめ、供給価格の引下げ圧迫や反独占の調査など、18年から本格化する見通しだ。中国発展改革委員会(NDRC)は、18年に入って、半導体価格の値上がりに不満を持つ自国内のスマホメーカーが苦情を申し入れると、「スマホ向けメモリー半導体価格の引き上げが価格談合につながる可能性を注視している」という発言で、サムスン電子に対して半導体価格の引き下げをサムスンの新鋭EUV ラインの鳥瞰図