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Semicon West 2018

Semicon West 2018報告Intelも7月11日のSemicon West2018のカンファレンスで、ブロックチェーン、ヘルスケア、アセットマネジメント、自動車、農業、FA向けなどで、2027年に4兆ドルのIoT市場が形成され、半導体産業は大きな発展を遂げるという見通しを示した。東京エレクトロンは7月10日に投資家向け説明会を開催した。「IoT技術の普及でビッグデータ時代が始まる」との見通しの下、自動運転、スマートモビリティ、スマートシティ、スマートグリッド、スマートファブ、産業ロボット、AIロボット、データ解析などの領域で新たに市場が創出され、半導体に更なる技術進化が求められ、業界は大きく発展するという展望を示した。中でも、半導体需要のドライバとして、クラウド向けの大型投資、建設ラッシュが続いているハイパースケールデータセンターに期待していた。今後の成長のための基本方針として、自社の技術力と顧客との共同開発を通じたシェアの向上、今後WFE市場の3割を占めるであろう中国市場への対応、フィールドソリューション事業での収益拡大、業務効率化の推進、データ・AIを活用した生産性及び付加価値の向上、などを挙げていた。設備投資の延期が相次ぐ半導体製造装置に対する受注、引き合いはエッチング装置、CVDを中心に足元で一服している。エッチング装置最大手からの部材の引き合いは、ピーク時に比べて約半減している模様である。半導体需要の急拡大により、半導体及び半導体製造装置の部材不足が拡大している。Samsung Electronicsは、平澤でのDRAMの拡張投資を4~6ヶ月延期し、工場の新設も2ヶ月程度遅らせるとしている。枚葉CVD不足が理由である。中国の地場のメモリメーカー3社が工場の稼働を3ヶ月程度遅らせているが、こちらはWafer不足が理由である。様々な部材が足りない日本製のボールネジ、リニアガイドに加えて、アルミコンデンサ不足による電源、静電チャック、SiCボート、シリコンウェーハなどの不足が深刻であることが確認できた。納期が2年になっている部材もある。装置別では、エッチング装置、枚葉CVD、熱処理装置が大きな影響を受けよう。加えて、MPU、10nm台のDRAM、フラッシュメモリなどで投資の延伸が見られている。いずれも先端プロセスの歩留りが十分でないことが理由とみられる。半導体の設備稼働率は高く、需要側には問題は生じていない半導体製造装置メーカーに複数の顧客から納入延期要請が出ているが、いずれも歩留り問題や部材、装置の調達問題に起因している。半導体需要は仮想通貨向けが多少不透明になっている以外は、引き続き旺盛である。Intel、台湾のメモリメーカー、中国のフラッシュメモリ工場からの装置の引合いは高水準で推移している。ディスコが7月2日に発表した「2019年3月期第1四半期個別売上高の速報値に関するお知らせ」などから、当社の消耗品の出荷が好調だったと野村では見ている。ディスコの消耗品は、ダイサ、グラインダで使用されており、世界シェアは70~80%。同社の消耗品の売上は、半導体市場の景況感のバロメーターとされており、半導体製造ラインの稼働状況を推定することができよう。米中貿易紛争の余波また、米中貿易摩擦によって、半導体メーカーにも様々な影響が出つつある。中国ではMicron Technology(以下、Micron)の半導体の一部に対して中国での製造販売を禁じる仮命令が出たが、我々は、当該仮命令はMicronよりも、中国の地場の電子機器メーカーへの打撃が大きく、早晩撤回されると予想する。ただし、懸念すべき動きも出ている。中国の反独占局が米韓のメモリメーカーに対して、カルテルの疑いで最大9,000億円の課徴金を課す検討に入っている。このような動きが拡大するようであれば、メモリメーカーの設備投資意欲を減退される可能性があろう。市場展望主催者のSEMIは2018年の半導体製造装置市場の成長率を前年比10.8%成長、前工程を同11.7%成長と予想する新市場予想を発表したが、米中貿易摩擦の行方次第では、SEMIの予想を下回る可能性があろう。TSMCの投資回復への期待ファウンドリ最大手のTSMCは、足元で先端ラインの稼働率が底打ち回復している。多少の需要の不透明感はあるが、iPhone向けのApplication Processor「A12」は同社の先端プロセスで量産を開始した。加えて、Xilinx、NVIDIA、HiSilicon Technologies、MediaTekなども採用を表明している。尚、仮想通貨向けのASICの需要は低下中である。現在、TSMCの装置発注は低水準で推移しているが、先端ラインの稼働率上昇と、19年初からの5nmプロセスのパイロット生産に向け、我々は、18年末からTSMCによる装置の発注が回復する可能性があると考えている。19年以降の見通しは明るい19年以降の製造装置への引き合いは逆に増加している。中国ではYMTCが32層の3D-NANDの量産に成功しており、19年は大規模な設備投資が始まる可能性がある。TSMCの先端ライン向けの投資も19年には回復しよう。Intel、DRAMメーカー、フラッシュメモリメーカーの投資も18年に予定していた投資計画の一部が19年に延期となったため、19年の設備投資は18年を大きく上回ろう。スーパーサイクルはまだまだ続く。SEAJ Journal 2018. 8 No. 162 19