中国RoHSに関するFAQ

中国RoHSに関するFAQ

SEAJ環境情報専門委員会
[2026/1/23] 更新
[2019/12/9] 作成

  • * 本FAQは、環境法規制解釈の参考情報としてご活用いただくことを目的としてSEAJ環境情報専門委員会が作成したものです。
    執筆者の知見に基づく独自の見解を含んでおり、法的厳密性を保証するものではありません。法令の内容解釈に関しましては、必ず原文をご参照の上、各社様の判断でご対応下さい。

中国RoHSの法体系はどのようになっていますか?

  • 中国RoHSは以下の通り、部門規章に位置しその上下位には関連法、規定があります。

    【上位法/条例】

    • 清潔生産促進法
    • 固形廃棄物環境汚染防止法
    • 廃棄電器電子製品回収処理管理条例

    【部門規章】

    • 電器電子製品有害物質使用制限管理弁法(通称:改正中国RoHS、2016年7月1日施行)が中心的な法令です。これは部門規章であり、法律や行政法規の下位に位置します。

    【下位規定】
    国家標準

    • 梱包材 → 包装回収標志(GB/T18455-2010)
    • 限度量 → 電子電気製品使用制限物質限度量要求(GB/T 26572-2011第1号改正)  電気電子製品の有害物質含有要求事項を定めています。/li>
    • 測定方法 → 電子電気製品六種使用制限物質測定(GB/T26125-2011)
    • 技術文書 → 電気電子製品有害物質使用制限適合性証明技術文書規範(GB/T 36560-2018) ※GB 26572-2025 → GB/T 26572-2011第1号改正(限度量)と SJ/T 11364-2024(標識要求)の内容を統合した強制標準(2025年8月1日公布、2027年8月1日施行予定)

    業界規則

    • 標識要求 → 電子電気製品有害物質使用制限標識要求(SJ/T11364-2024)
    • 環境保護期限 → 電子情報製品環境保護使用期限通則(SJ/Z11388-2009)

    など

    法体系の特徴 など 階層構造: 上位法に基づき、管理弁法が具体的な規制内容を定め、国家標準が技術的な要求や試験方法を詳細に規定するという階層的な構造を持っています。 段階的導入: EU RoHS指令と同様の10物質(カドミウム、鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDE、DBP、DIBP、BBP、DEHP)を規制対象としていますが、当初は含有表示の義務化から始まり、徐々に規制対象製品や適合性評価制度が拡大されてきました。 適合性評価制度: 現在は、製造業者が自ら試験・評価を行い適合を宣言する「自己適合声明」か、指定機関による「試験合格(国家推進自発認証)」のいずれかの方法で適合を示す必要があります。

中国RoHSの正式な名称は、何でしょうか?

  • 中華人民共和国(以下、中国という)信息産業部が制定した「電器電子製品有害物質使用制限管理弁法」が正式名称です。2016年7月1日に施行され、旧法である「電子情報製品汚染防止管理弁法」は同日に廃止されました。日本では一般的に「中国RoHS」や「管理弁法」と呼ばれています。

中国RoHSは、いつ施行されたのでしょうか?

  • 中国RoHS(電器電子製品有害物質使用制限管理弁法)は、以下のような施行経緯があります

    中国RoHSの施行
    区分 施行日 内容
    初版(中国RoHS 1.0) 2007年3月1日 施行 対象は「電子情報製品」で、有害物質(6物質)の表示義務が中心。 jema-net.or.jp
    改正版(中国RoHS 2.0) 2016年7月1日 施行 対象がすべての電器電子製品(定格電圧 直流1500V/交流1000Vを超えない)に拡大され、 一部の表示方法が変更された。
    合格評定制度 2019年11月1日 施行 特定製品(12製品)について含有制限義務が導入された。
    標準の改定(GB/T 26572-2011及びSJ/T 11364-2024) 2026年1月1日 施行 6物質から10物質(フタル酸エステル4種追加)に拡大された。
    最新の強制国家標準(GB 26572-2025) 2025年8月1日に公布され、2027年8月1日から施行予定。 従来の推奨標準(GB/T 26572-2011及びSJ/T 11364-2024)の 統合版として置き換えられる予定。

中国RoHSの対象製品と規制物質はどのように変化してきましたか?

  • 中国RoHS1(2007年3月~):

    対象製品は「电子信息产品分类注释(電子情報製品分類注釈)」として、10製品群とその下位分類として細かなリスト(約1,800品目)が公開されていました。規制物質は次の6物質で、EU RoHSのような「含有制限」ではなく、有害物質の含有情報と環境保護使用期限の表示義務が課されました。

    規制物質とその最大許容濃度:

     鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDE → 0.1wt%
     カドミウム → 0.01wt%

  • 中国RoHS2(2016年7月~):

    対象製品は、定格電圧が直流1500V/交流1000Vを超えない「電器電子製品」全般に拡大され、EU RoHSと同様に「オープンスコープ」に近い形で、ほぼすべての電気・電子製品が対象となりました。なお、この時も分類としては10の製品カテゴリーが示されています。そして、宇宙、軍事、研究開発・試験用等の適用除外品も指定されました。

    規制物質とその最大許容濃度は中国RoHS1と同じで、含有制限ではなく有害物質の含有情報と環境保護使用期限の表示義務という点も変化はありませんでした。

  • 改正中国RoHS2(2019年11月~):

    「有害物質使用制限目録」というリストの形で、特定の12品目を対象として、含有制限と適合性評価(CGPマーク)を必須要件としました。その他の対象製品については、含有制限ではなく、有害物質含有情報と環境保護使用期限(EFUP)を表示する義務のみのままです。

  • 中国RoHS3(2026年1月~):

    規制対象物質に、フタル酸エステル4種追加(DBP, DIBP, BBP, DEHP)で合計10物質となりました。対象製品については変化はありません。

    規制物質とその最大許容濃度:

     鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDE、DBP、DIBP、BBP、DEHP → 0.1wt%
     カドミウム → 0.01wt%

一般対象製品と対象外カテゴリは何ですか?

  • 中国RoHSの対象となる一般的な対象製品(EEP)とは、中国国内で生産、販売、輸入される電器電子製品のことを指します。

    (定格電圧が直流1500V/交流1000Vを超えない下記の製品及び付属品)

  • 下記の10カテゴリが規定されています。

    1. 通信設備
    2. 放送用製品(ラジオ・テレビ設備)
    3. コンピューターやその他のOA機器
    4. 家庭用電器電子設備
    5. 電子計測機器
    6. 産業用電器電子設備(加工、生産、検査測定用の電器電子設備、工業系制御システム用監視測定器具)
    7. 電動工具
    8. 医療用電子設備や機械
    9. 照明製品
    10. 文化・教育、工芸・美術、体育、娯楽用の電子製品

  • また、下記のカテゴリは対象外となっています。

    発電所、送配電設備、軍事、特殊な環境で用いる物、輸出用、展示・見本品、研究開発用

  • 半導体製造装置は、6. 産業用電器電子設備に分類されるため、中国RoHSの対象となります。

合格評定制度と有害物質使用制限目録とは何ですか?

  • 合格評定制度とは、製品中の有害物質が規制値以下であることを証明する制度であり、次のいずれかを選択します。

    国家推進自発認証:第三者認証機関による試験・工場検査を経て認証を取得します。

    自己適合宣言:企業が自ら適合性評価を行い、公共サービスプラットフォームに情報を登録します。

  • 有害物質使用制限目録に記載されている製品は上記、合格評定制度の対象となります。

    現時点では下記12製品が有害物質使用制限目録に記載されています。

    1. 冷蔵庫(ボックス型800リットル以下)
    2. エアーコンディショナ(定格冷却能力≦14000ワット)
    3. 洗濯機(洗濯量10kg以下で乾燥機能を含む)
    4. 電気温水器(500リットル以下)
    5. 各種プリンター(印刷領域≦A3、印刷速度≦60枚/分)
    6. コピー機(印刷領域≦A3、印刷速度≦60枚/分)
    7. ファックス(スキャン機能を含む)
    8. テレビ(チューナーがないがTV用であれば含める)
    9. モニター(LCDやCRTを含む)
    10. マイクロコンピュータ(デスクトップ、ハンドヘルド、タブレット等)
    11. モバイル通信・携帯電話(GSM/GPRS、CDMA等規格品)
    12. 固定電話(IP電話を含む)

半導体製造装置の環境保護使用期限の「年数」はどう考えればいいでしょうか?

  • 環境保護使用期限の考え方には、市場寿命・サポート寿命・製品寿命等から算出する方法があり、整数年1-10、15、20・・・(10年以降は5年単位)を記載することになります。 半導体製造装置の使用状況や使用サイクルを考えると、一般的に年数は「10年」「15年」又は「20年」が考えます。各社で検討の上、決定して下さい。

中国RoHSの要求事項は何ですか?

  • 中国国内において、製造、販売、輸入を行う電器電子製品は、以下の1~4の要求事項に適用させる必要があります。

  • 1.電器電子製品有害物質使用制限標識及び環境保護使用期限の表示

    電気電子製品の生産者、輸入者には、その製品の有害物質使用制限表示に関する環境保護使用期限を明示することが義務付けられています。(SJ/T11364-2024「電子電器製品有害物質制限使用標識要求」)

    図1は、製品に有害物質が含まれない場合に使用し、緑色の使用を推奨します。

    図2は、製品に有害物質が含まれる場合に使用し、オレンジ色の使用を推奨します。

    図2の中央の数字は環境保護使用期限で、電器電子製品に含まれる有害物質が通常の使用条件下で外部への漏えい、環境への汚染、人体や財産への損害を及ぼさない期限(年)です。

    環境保護使用期限は、SJ/Z11388-2009「電子情報製品環境保護使用期限通則」を参照し、各社で確定して下さい。

    標識の最小面積は5mm×5mmで、型押し、レーザー刻印、吹付塗装、貼付、印刷等の方法で直接製品に表示して下さい。

    製品の大きさ(表示可能面積:50cm²未満)や形状等および、製品機能上の都合で製品に表示できない場合は、製品説明書に記載して下さい。

    画像表示機能がある製品の場合、デジタル形式による表示も可能です。

    図1 標準 図2 標準II

    図1 標準I 図2 標準II

  • 2.有害物質の名称及び含有量の明記

    電器電子製品有害物質使用制限の標識で図2を選んだ場合は、表1の様式に、製品に含有する有害物質の名称及び含有量を記載し取扱説明書に明記して下さい(中国語)。

    電子電気製品使用制限物質限度量要求(GB/T 26572-2011第1号改正) に対し、鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDE、DBP、DIBP、BBP、DEHPの含有率が0.1wt%以下、カドミウムの含有率が0.01wt%以下の場合は「〇」、上回った場合は「×」を含有量の欄に記入して下さい。

    表1の含有情報表は製品説明書に記載するか、2次元コード方式を使用し確認できるようにして下さい。

    表1 電器電子製品中の有害物質の名称および含有情報表 表1 電器電子製品中の有害物質の名称および含有情報表

  • 3.容器包装の使用に係る国家標準又は業界標準の遵守

    電器電子製品に使用する容器包装物は、無害で分解しやすく回収利用に便利な材料を採用し、容器包装物に係る国家標準又は業界標準を遵守しなければなりません。

    包装材料表示の国家標準に関してはGB/T18455-2022「包装リサイクルマーク」があり、さらに、プラスチックについては6種類(ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチロール)の番号と略語を併記します。以下が表示例です。

    上記6種類以外のプラスチックについては GB/T16288-2024「プラスチック製品の表示」を参照します。

    表2 常用包装材料のリサイクルマーク

    表2 常用包装材料のリサイクルマーク



    表3 常用プラスチックのコード番号とアルファベットの略称

    表3 常用プラスチックのコード番号とアルファベットの略称

  • 4.合格評定制度に対する対応

    電器電子製品有害物質使用制限基準達成管理目録に記載されている12製品(Q6参照)は、合格評定制度の要求を満たさなければなりません。

    合格評定制度の要求を満たすためには、「国家推進自発認証」又は「自己適合宣言」のどちらかを選択して実施し、以下の図3または図4のラベルの表示を行います。

    図3 国家推進自発認証の場合のラベル 図4 自己適合宣言の場合のラベル

    図3 国家推進自発認証の場合のラベル 図4 自己適合宣言の場合のラベル

中国RoHSに罰則はありますか?

  • はい、あります。

    電器電子製品有害物質制限使用管理弁法(管理弁法)第十九条に基づき、違反した場合は、下の処罰を科せられる。

    ・是正命令(改善要求)

    ・罰金(具体額は製品の価値や違反の程度に応じて決定)

    ・公表・信用記録への登録(企業信用に影響)

    重大な違反の場合、製品の販売停止や輸入禁止措置もあり得ます。

中国RoHSの摘発はどのようにされますか?

  • 摘発は税関や市場で行われます。日本から中国に輸出する企業の場合は、税関で表示がなければ摘発対象となります。 2007年11月には集中取締りがあり典型事例について摘発され報道もなされました。

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