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株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ

SCREEN SPE Germany GmbH 上野 明信

SCREENセミコンダクターソリューションズについて

株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ(以下、SCREEN SPE)は、株式会社SCREENホールディングスの事業会社として、半導体製造装置の分野で世界をリードする企業です。特に、半導体製造工程における「洗浄装置」では、グローバル市場でトップシェアを誇り、スマートフォンや自動車、AI、DXといった先端技術の根幹を支えています。

京都市に本社を構え、世界中の半導体メーカーや材料メーカー、コンソーシアム、アカデミアなどと連携しながら、日々技術革新に挑んでいます。海外向け売上が全体の8割以上を占め、アジア、北米、欧州などにも拠点を持ち、現地ニーズに即したソリューションを提供し、顧客に寄り添った最適な技術とサービスを常に追求しています。

私は、2022年からSCREEN SPEのドイツ法人であるSCREEN SPE Germany GmbH(以下、SEDE)に管理部門の一員として駐在しています。半導体業界における管理部門で働く魅力や海外での経験などを、皆さまにお伝えで きればと思います。

当社の主力製品・半導体洗浄装置
当社の主力製品・半導体洗浄装置

半導体業界に入ったきっかけ

文系学部出身の私は、就活生として最低限の企業研究はしていたものの、正直なところ、半導体、ましてや半導体製造装置の業界動向や技術をしっかりと理解したうえで、半導体業界にこだわって就職活動をしていたわけではありませんでした。「縁の下の力持ち」として、B to CよりもB to Bの企業で幅広く産業や社会に関わる仕事がしたいという思い、また出身地である京都には、弊社以外にも魅力的なB to B企業が数多く本社を構えていることもあり、自然とB to Bの企業を中心に就職活動を進めるようになりました。

企業研究や企業訪問を進める中で、携帯電話やパソコン、医療機器、交通システムなど現代社会のあらゆるインフラに半導体が組み込まれているという裾野の広さ、将来性に加え、半導体メーカーではなく半導体を製造するための装置メーカーという立ち位置や奥深さに魅力を感じていました。最終的には、面接官を務める社員の方の魅力にも惹かれて入社を決めました。就職活動をしていた当時は、まだスマートフォンも現在ほど普及しておらず、AIという言葉も聞き慣れないものでしたが、今やこれらの技術が社会をけん引しています。そんな技術革新を支える半導体業界の一員としてキャリアを形成し、希望通り「縁の下の力持ち」を実現できていることに、とても満足しています。

これまでのキャリア・仕事内容・やりがい

私は2008年に入社し、ドイツに駐在する2022年までの約14年間は、管理部門である事業統轄部に所属していました。社内では「なんでも屋」と言われるほど、事業統轄部の中には多くの機能がありました。その中でも私は主に管理会計(企業が意思決定などを行うため、社内で利用する会計情報)を担当する部門に配属されました。具体的には、SCREEN SPEの予算策定、決算、実績とのギャップ分析、各部門が期初に掲げた目標値に対するモニタリング、原価管理など、多岐にわたる業務を通じて、経営層や各部門にタイムリーかつ的確な情報を提供することが求められる部署でした。

その他にも、業務改革、新たなビジネスフローの確立、新工場建設、新システム導入などの全社的なプロジェクトにも参画し、投資対効果(ROI)や損益シミュレーションに加え、会計処理の妥当性や制度上のリスクの有無を見極める役割も担っていました。例えば、コスト削減施策や業務プロセスの見直しが、財務諸表にどのような影響を与えるか。あるいは、新たな取引スキームや契約形態が、売上計上や資産計上のルールに照らして適切かどうか。こうした判断には、会計基準や社内ルールへの深い理解と、事業の実態を踏まえたバランス感覚が必要とされます。

このように、単なる会計処理、数字の管理にとどまらず、プロジェクトの意思決定や経営戦略の実行を数値面から支える役割を担うことができるところに、緊張感とやりがいを感じていました。また、職制上、若いうちから経営層に近いところで仕事ができたことは、経営者の考え方や判断軸を学ぶ良い機会になりました。
2022年2月にSEDEに赴任して以降、管理系の駐在員として、それまでの管理会計の経験を生かしつつ、ファイナンスを中心に、人事やCSRなど、未経験の分野にも関与するようになりました。数字の管理も一筋縄ではいきませんでしたが、人事やCSRも難しく、日々想定外の案件が発生します。また、これらの業務は対応を誤れば訴訟や制裁につながる恐れもあるため、専門家の意見を聞きながら、迅速かつ適切な対応を心がけています。

SEDEはドイツに本社を置き、フランス、イタリア、アイルランド、イスラエルに子会社を持ち、EU各地にさまざまな国籍の従業員がいるという少し特殊な現地法人です。同じEU内でも国ごとに法律や制度が異なるため、給与の支払回数、休暇日数、労働時間、ビザ申請方法なども、全て国ごとの対応が必要になります。さらに欧州では環境保護や情報保護に関する規制が厳しく、新たな制度が次々と施行されます。中にはDirective(指令)止まりで法制化されなかったり、要件が大幅に緩和されたりする例もありますが、各国の制度を理解し、事業を運営することが、企業の管理部門には求められます。これら多くの規制の中で欧州でのビジネスを行う難しさを感じる一方で、ここでしか得られない貴重な経験は私のやりがいとなっています。企業として法令順守、コンプライアンスは非常に重要であり、その一端を担うことに大きな責任とやりがいを感じています。

オフィスでの筆者
オフィスでの筆者

海外での経験・余暇の過ごし方

海外で働く際には、法律や制度、商慣習の違いに対応する必要があり、幅広い知識と柔軟な適応力が求められます。加えて、文化の違いを理解し適応することも非常に重要です。High-contextとLow-context文化という言葉をご存知でしょうか。High-context文化とは、言葉にされない情報(文脈、表情、空気、前提など)に大きく依存し、相手の気持ちや状況、要求を「察する」ことが重視される文化のことです。一方、Low-context文化では、言葉そのものに情報が詰まっており、背景や前提を共有していなくても理解できるような明確で直接的な表現が好まれます。諸説ありますが、日本は最もHigh-context文化に近く、ドイツは最もLow-context文化に近い国とされます。つまり私は、文化的に対極にある国で働いているわけですが、それを実感する場面は多々あります。日本人なら、あれこれ言わなくても状況を「察して」、こちらが欲しいと「思っている」情報を報告してくれます。しかしドイツでは(当然人によりますが)、どのような背景・目的で、どんな情報がいつまでに必要かを明確に伝えないと、望むような報告は得られません。

最初は報告内容の薄さや意図とのズレに苦労しましたが、それも文化の違いによるものであり、今では背景・目的・必要な情報・納期を明確に伝えることで、ギャップはかなり埋まってきたと感じます。昨今は日本のビジネススタイルも欧米式に近づいてきており、今後日本で働くうえでも重要だと実感しています。このように、多様な文化や価値観を持つ人々と協働することで、柔軟な思考力や国際的な感覚が養われ、異文化の中で信頼関係を築き、共通の目標に向かってチームを導く経験は、今後のキャリアにおいても大きな財産となります。そして、困難を乗り越えた先には、国内勤務とはまた違った達成感があります。

余暇についても少し。ミュンヘンはオクトーバーフェストの開催でも知られる通りビールが有名で、初夏の頃から街中のあちらこちらにビアガーデンがオープンします。多くが公園も併設しているので、休日はそこで昼から家族や友人とビールを飲んでゆっくり過ごしたりします。また、ビールを飲みながら、アリアンツ・アリーナでFCバイエルン・ミュンヘン(サッカー)の試合を観戦するのも休日の楽しみの一つです。

午前中から家族連れでにぎわう緑豊かなビアガーデン
午前中から家族連れで
にぎわう緑豊かなビアガーデン
オクトーバーフェストの様子
オクトーバーフェストの様子
ビールを飲みながらサッカー観戦
ビールを飲みながらサッカー観戦
伝統的なバイエルン衣装でオクトーバーフェストを満喫する筆者
伝統的なバイエルン衣装で
オクトーバーフェストを満喫する筆者

学生のみなさまへ

半導体業界と聞くと、最先端技術で理系の方々が活躍する業界というイメージを持たれるかもしれませんが、私のような文系出身者、それも管理部門でも活躍の場があることを本稿で知っていただけると幸いです。半導体業界は世界的にも最も注目されている業界の一つであり、グローバルに顧客を抱え、海外展開を積極的に進めていますので、海外で勤務できるチャンスも多くあると思います。学生の頃から専門分野の勉強だけでなく、さまざまなことに挑戦し、多様な価値観を理解し、グローバルに活躍できるような適応力を身につけておくと、ご自身の可能性が広がると思います。半導体業界で、皆さんをお待ちしています。

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