株式会社リガク
(2026.2)
薄膜デバイス事業部 薄膜カスタマーサポート部 渡辺 翔子
<リガクについて>
UFO ?どういうこと?何の会社?と思う方が大半でしょう。リガクは、X 線回折、蛍光 X 線分析、X 線イメージングなどの X 線技術を中心に、70年以上にわたって分析・計測機器の開発、製造、販売、サービスを展開するグローバル・リーディングカンパニーです。世界中の半導体、エネルギー、環境分野の企業や研究者とともに、日々の研究開発を支えており、たとえば小惑星探査機が持ち帰った地球外試料の分析支援など、科学技術の進歩に貢献するワクワクするようなプロジェクトにも関わっています。
特に近年急成長しているのが、半導体計測ツールを提供する薄膜テパイス事業部です。私たちは、顧客の生産ラインに組み込まれる測定装置の性能を最大限に引き出し、安定して稼働するように調整してから納品しています。この業務に携わるのが、私たち「アプリケーションサイエンティスト」。顧客の課題に寄り添いながら技術的なサポートを行う、まさに事業部の成長を支える重要な役割を担っています。
今回は、この「アプリケーションサイエンティスト」の現場についてご紹介します。
■プロフィール
入社年:2020年
現在の職務内容の概要:
半導体業界向け汚染管理装置の依頼分析、技術説明、顧客サポート、開発評価
趣味、休暇の過ごし方:
元探検部なので主にアウトドア(登山、キャンプ、沢登り、鉱物採集、昔は洞窟探検も)、旅行も好きです。最近は「息子と近所の公園で遊ぶ」が95% を占めています。
<半導体業界・リガクとの出会い>
大学で研究室に配属されてから、毎日装置で実験したり壊れた装置の修繕をしたりしているうちに、段々と分析装置たちに愛着が湧いてきました。新しい装置を買ったときに、装置を隅々まで理解し説明してくれたフィールドエンジニアの方がとてもかっこよかったので、そこから分析装置について原理も機構も知っている人になりたいと思い、分析装置業界を志望するようになりました。食品系、薬品系、環境系と業界を絞れなかったので、それだったら全てに触れられる分析業界がいいなとも考えていました。
数ある分析装置メーカーの中でも、リガクは X 線に特化している所が「尖っていて面白い!」と思いここに決めました。また、当時フィールドエンジニアかアプリケーションサイエンティストか迷っていましたが、私が入社した時は研修を経て配属先が決まるので、決めきれない私はどちらも体験できる仕組みが魅力的でした。それプラス人事からワクワクするような仕事を用意していると言われたからです。実際毎日何かしらワクワクしています。

清潔感あふれる居室でのびのびとデスクワークしています
リガクに入ってからは希望の勤務地と、装置種類を問わず自分のやりたいことを希望した結果、この半導体産業関連の分析装置の部署に配属されました。
学生時代は蛋白質の構造解析を専攻していたため、ゼロからの勉強や業界の常識・考え方の違いに最初は戸惑うことも多々ありましたが、その分世の中の解像度がぐっと上がったので良い経験になっています。
<現在の仕事とその魅力>
私の仕事は半導体産業で使用されるウェーハの依頼分析、分析装置の講習、装置の開発支援、顧客へのサポートが主です。
リガクはX 線の会社と前述しましたが、一口にX 線といっても用途は多岐にわたり、よくあるレントゲン的なものから材料の成分・構造の分析、膜厚測定まで本当にいろいろなことができます。半導体産業でもインゴットの方位測定から、クリティカルディメンションの計測、各工程の膜厚分析と頭からしっぽまで幅広く利用されています。
その中でも、担当している全反射蛍光 X 線分析装置(以下 TXRF)はウェーハ表面の汚染を非破壊で検出することができます。TXRF は半導体工場を立ち上げる際に、工場に入る様々な装置の装置内コンタミを確認したり、製造工程内の汚染の管理にも使用されたりします。また非破壊検査は X 線の得意分野でもあり、汚染の位置情報を残したまま分析ができるので、汚染の原因を推測することにも役立っています。

半導体の製造プロセスとリガクの装置

2025年発売の新装置です。開発~納入まで携わりました

装置原理T シャツを作ってみました!ユニク〇製なので着心地抜群、勤務中もさることながらプライベートでも活躍中
この仕事の魅力は、お客様と直接やり取りする中で問題解決に貢献でき、感謝や信頼を得られる点です。もっと言うと、お客様の見たかったデータをお見せすることができたときはもちろん、想定外のデータが出てお客様を驚かせる瞬間もクセになるひと時です。お客様からはよく「見たくないものまで見えてしまう」と言われます。例えば人体由来の汚染(Na, K, Ca, Ti 等)も検出できてしまいます。この結果から、工場自体の環境を見直される方もいらっしゃいます。
それからもう一つ、海外出張や来客が多く、英語を使う機会が当たり前にある環境というのも好きなところです。私自身の英語力はたいしたものではないですが(それもどうかという話ですが)、程度はともかくこの環境のおかげで臆することなく話せるようになったかな、という実感があります。海外出張先も研究機関や半導体工場が主なので栄えているところが多く、知らない街でも楽しめちゃいます。社内では営業と共に装置を売る作戦を練って購入の決め手となるデータを取ったり、設計や研究所と協力して新製品や新機能の開発を行ったりと、部署をまたいだ仕事ができるのも魅力的です。
私の携わっている装置は国内外問わず非常に多くのお客様にお使いいただいているのですが、それだけにお客様からのご要望も日々多く寄せられています。それらを新機能というところに落とし込んでいく過程はもちろん大変なのですが、完成すると結構感動します。

海外出張①学会でイタリアのソレントへ。何でも美味しかったです

海外出張②シンガポールのお客様に装置講習。
クリーンルーム内は乾燥するので仕事終わりの液体は沁みます
<今後の目標>
実は2024年に子どもが生まれ、一年間育休を取り今の職場に時短勤務で復帰しました。一年間働いていないと、社会復帰できるのかという不安や、夜泣きする子どもとの生活の中に仕事が入ってくることに対する不安がありました。ですが、産休前と同じ職務なので仕事とプライベートのバランスは取りやすく、部署には未就学児のお子さんがいる方も多く、ありがたいことに理解のある環境なので安心して日々働いています。(例えば、復職初日に保育園からお迎え要請がきて滞在時間1時間だった時も笑って送り出してもらえました。)しかしどうしても子どもが小さいうちは、なかなか長期の海外出張等は難しいです。というわけで、今後の目標としては国内でのサポートの充実、新機能の開発、特許申請など今の自分にできることを行い、貢献していきたいと考えています。また、今は主に TXRF を担当していますが、他の装置に対しても、いずれプロになりたい所存です。
もちろん、プライベートが落ち着いたら、さらにパワーアップした WATANABE として海外のお客様のところに行きたいですね。
<学生へのメッセージ>
就職先を考えるとき、おそらく大部分の方が「今専攻している内容を生かせるところに行こう」と思って行動していることでしょう。それが悪いわけでもないですが、企業というものは HP にはない、見えないところで進んでいるプロジェクトも多数あるので、あまり自分を縛らずにいた方がより柔軟に人生を楽しめるかと思います。余談ですが、私は応募したとき、リガクが半導体業界向けの装置を製造していることを知りませんでした。しかし、結果的に満足のいく配属先だったなと思っています。
「どう働きたいか」という自分の希望するところ(具体的ではなく抽象的なこと)を軸として就職活動をされるといいかなと思います。
もちろん、このような記事やインターンを通じて様々な企業の雰囲気を掴んでもらうことも大事です。働き始めると空気感というものの大切さを実感することが多々あります。何が自分に向いているのか、社会にどういう形で貢献していくのか、判断してもらうためにも「自分」を出していきましょう。
それでは、皆さんと働ける日が来るのをお待ちしております。

初めての海外出張はスイス。空き時間に山に行きました。パワーアップした WATANABE はこんなイメージです!
