学生の皆さんへ

教えて!社会人ライフ!! 教えて!
社会人ライフ!! TOP

女性技術者座談会 vol.1

working-life-30_01.png

はじめまして、司会を務めます SEAJ 広報部の石黒です。本日はよろしくお願いします。まずは理系へ進むきっかけを教えてもらえませんか。

村田:小さい頃から算数の計算が好きでした。中学生の頃に先生から高専を勧められてオープンスクールに行ったら、専門性が高くて驚きました!早い段階から専門的に学べることに魅力を感じて高専へ進学、その経験を活かして今の会社にたどり着いた感じです。

中村:私はもともと算数が苦手で、でも中学の受験対策でじっくり取り組んでいたらその魅力に目覚めました。算数は「解」が一つしかない、すっきりする!ゴールがわかりやすくて面白い!理科の単元だと月の満ち欠けや昆虫の体の仕組みとかも楽しくて、それで自然と理系に進みました。高校は女子高だったのですが理系の子も多くて、違和感なく理学部を選びました。

長瀬:実家に図鑑がたくさんあって幼少期によく見ていました。その一方語学が好きで、高校時代には1年近くフランスへ留学もしました。それなら文系じゃない?とも言われましたが、通っていた高校では半数以上が理系志望だったこともあり、研究へも興味が湧いて、大学では化学を専攻、博士課程まで修了しました。

村田:おふたりとも大学で理系に進んだけれど、私の高専は機械電気か情報電子か土木建築かの選択で、ロボットそのものを作るよりプログラムを書いて動く仕組みが面白そうだなと思い情報電子にしました。進路を迷っていた時は明確な夢がありませんでしたが、プログラミングスキルがあれば将来の選択肢が広そうだとも感じました。

中村:高専っていいですよね、高専から大学に編入してくる人は優秀で、実験のスピードも速くていつも驚かされていました。

村田:それはうれしいです!高校生の途中で大学生になるというか、高校と大学のいいとこ取りかもしれません。好きな子は入学時すでに極めているし、その一方留年も当たり前で最初の1年はついていくのに必死でした。先輩や先生に一生懸命質問をするようになってからは要点が捉えられるようになって、仲間と励ましあって教え合って無事に卒業できました。

working-life-30_02.png

左から中村さん、村田さん
理系つながりで意気投合!話題が尽きません

やはり学業は大変ですよね。なにかエピソードはありますか。

長瀬:大学では、大学3年生の時が一番大変でした。週5で実験してレポートを書く生活で、常に締め切りと実験に追われていました。留学生との共同プログラムにも参加していたため、電車でパソコンを開いてレポートを書くこともあるなど、とにかく時間が足りなかったです。大学院では、実験がうまくいかないときは、考えて調べてまた実験して...やりたいことは山ほど出てくるし、取捨選択する過程も大変だけどそれもまた楽しくて。

working-life-30_03.png

長瀬さんは実験にとことん向き合って学生時代を謳歌しました

中村:大変だけど楽しい、その気持ちわかります!私も大学3年生が一番ハードでした。教員免許も取りたくてその勉強もしながら実験やレポートを書いて、夏休みもない感じでした。研究室に入ってからは自分で仮説を立てて考える力が求められますよね。未知の答えを探す研究の難しさと面白さを実感した時期でもあったかな。

長瀬:学生時代は実験し、結果をまとめて論文にするまでの研究の流れを一通り経験しました。私は半導体と接点がそこまでなかったぶん、就職したら
用語や略語がわからなくて大苦戦。けれど新人時代は意外と新しいことをどんどん覚えられるもの!(私まだまだいけるかも)と自信にもつながりました。振り返ると、学生時代の実験やレポートで身につけた物事を考えて進める力が、その先(就職)にも活きていることを実感しています。

中村:同感です!実験結果をどう深堀りしていくかもそうだし、教授に専門的な話をしに行くやり取りも今の業務に活かされています。自身の専攻や実験内容から先が見えないときってありますよね。でもあの頃の自分に会えたら「何を選んでも正解、将来につながるよ!」って言ってあげたいです。

working-life-30_04.png

教員免許も取得して晴れて卒業式に臨む中村さん

学生さんに心配することないよ、というメッセージ大変心強いです。就職をされてからはどのようなお仕事をされていますか。

村田:日立ハイテク ナノテクノロジーソリューション事業統括本部で、エッチング装置のソフトウェア開発を担当しています。入社当初はロボット関連の開発に携わっていましたが、現在は装置周辺のソフトウェア開発に幅広く関わっています。これまでシステム関連で担当業務が3年おきに変わってきましたが、無理なくステップアップできています。

中村:大学時代質量分析に取り組んだことから堀場エステックへ入社して、質量分析技術を活用したアプリケーション開発を担当しています。評価業務や顧客対応を経験してから、1年間韓国へも赴任しました。現在はさまざまな分析装置を担当して、開発をはじめお客様の課題解決につながるサポートや活用方法の提案にも取り組んでいます。

working-life-30_05.png

堀場エステックコリアへ海外研修中の中村さん
韓国語の勉強もして現場にスムーズに入れました

長瀬:SCREEN セミコンダクターソリューションズへ入社して3年目です。2年目にはウェーハの表面近傍、ナノオーダーあたりの液体の流れがどうなっているのか測定結果を元に、海外の学会で発表させていただく機会もありました。今は「なるべく薬液・純水の使用量を減らしたい」というお客様の要望に応えるため省液技術の開発や、微細化・進化するウェーハに対応する洗浄技術の開発に取り組んでいて、他社との共同開発案件も担当しています。

working-life-30_06.png

長瀬さんのデスクワーク風景
SCREEN セミコンダクターソリューションズにて

製造装置業界で大いに活躍されていますね!そんなみなさんでも大変なことはありましたか。

長瀬:装置トラブルの対応です。ある時、装置が異常動作を起こしていることに気がついたのですが、たまたま対応方法を知る人が周りにいなくて、社内のさまざまな部署へ相談しました。みなさん優しく助けてくださって、担当部署が判明したものの順番待ちの状態!けれど翌週には次のグループへ装置を引き渡さなければならず、過去に同じトラブルを経験した技術者を探し出して、協力をお願いすることで解決できました。

それからウェーハ表面近傍を測ったときも「電気化学インピーダンス法」を利用した電気的な応答から界面の状態を見る手法がわからなくてインピーダンス関係のことをかなり勉強しました。実際、値が予想と違ってもがいているときは苦しかったりするけれど、そういう時間が長いぶん、たどりついたときの達成感がたまらなくて。理系の沼ですかね。

中村:私は大学の研究が質量分析だったから原理のハードルは高くなかったけれど、リリース時期が決まっている中で結果を出すことに大変さを感じました。大学時代は結果が出ない実験もあって、でも仕事となるとそこが違いますよね。海外赴任のときは初めての訪問先のトラブルを本社に報告したり、橋渡しをするのに頭を抱えたことも。正解を見つけるまでのプレッシャーもありました。問題が解決するまではしんどいですよね...読めば書いてあるわけでもないですし。

村田:今、拠点と離れていることです。山口県の笠戸が本拠地ですが、結婚を機に東京で働いていてほぼフルリモートです。当初は「これがわかりません」って疑問点だけを伝えていたけれど、相手が見えないぶん、ある程度自分の中で「解」を持って、どこまでわかっているかを伝えるようになりました。そうすると相手に自分の理解度が伝わりレスポンスも的確になり、トラブルがスムーズに解決するようになりました。それから最近は優先度付けが大事だと思っていて、仕事もプライベートも優先度の高いものから終わらせるようにしています。子どもが2人いて、1歳、3歳とやんちゃな時期なんですよね、プライベートに入ったらスイッチを切り替えてしっかり触れ合っています。

working-life-30_07.png

家族と過ごす時間が仕事への活力にもなっている村田さん
仕事と育児、そして最近はじめた"よさこい"で自分時間を持つことで今一番充実しているそう

中村:オンオフがしっかりされていて素敵ですね!私も土日はともかく考えない。帰宅したらすぐ Netflix を観る、みたいな生活を心がけています。それから趣味はランニングです。韓国へ赴任して美味しいものを食べ過ぎたことがきっかけですが、デジタルデトックスにもなるしおススメですよ。帰国後も変わらず走り続けてハーフマラソンに挑戦しました!

中村さんはランニングにハマってハーフマラソンへ参加!
中村さんはランニングにハマって
ハーフマラソンへ参加!
名古屋シティマラソン2026で21.0975 km を完走しました
名古屋シティマラソン2026で
21.0975 km を完走しました

長瀬:私はボルダリングを週1でやっています。夫に誘われてはじめてからもう2年。結構筋肉痛にもなるけれど、ルートをどう攻めようかと、体の使い方を考えて攻略する達成感があるんですよね。仕事とは違った充実感かもしれません。それからハイキングも好きで、週末どの山へ行こうかな?と、気軽に出かけています。

山形県まで足を延ばしてハイキングを満喫する長瀬さん
山形県まで足を延ばしてハイ
キングを満喫する長瀬さん
趣味のお箏は小学生から今でも実家へ帰省のたびに弾いています
趣味のお箏は小学生から
今でも実家へ帰省のたびに弾いています

プライベートも充実されていますね、みなさんアクティブ!今後の目標や夢はお持ちですか。

村田:まずは共働きでずっと働くことです。私はそれを活かしたいというか。それから女性技術者がまだ少なくて1割程度なので、まずはロールモデルになれたらと。同じようにお子さんが2人いる先輩がいらっしゃって、その方もすごく頑張っていらっしゃるんですよね。そういう風になるのが今目標で、仕事もプライベートも充実させて、あとに続く後輩の希望というか目標になれたらと思っています。子育てしながら仕事で自分も活躍するってなかなか難しくて、今も試行錯誤しているけれど、先輩がこういう働き方ができるんだって道を作ってくださっているから希望が持てます。日立ハイテクは子育てや介護の制度も充実していて、本当に長く働ける制度がそろっているので、それを活用してともかく長く働きたいですね。

中村:すごくいいですね。私はそういう話をもっと聞きたい!「みんなどうやってるんだろう」って思っていました。共働きでどちらかの実家に近くて見てくれるとか、そういう方もいるけれど、村田さんのように共働きで2人だけで子育てしている人の話を聞きたいなって。今日ここに来てロールモデルが見つかりました!

長瀬:私も!今はまだ子どもがいなくて夫と色々と出かけたり、それはそれで楽しんでいますが、ゆくゆくは村田さんのようになれたらいいなって思います!

村田:おふたりともありがとうございます。今は情報を簡単に集めやすくて母親の世代より子育ては格段にしやすいですよね。在宅という制度もあって働きやすくて。けれど子どもが病気になったら本当に仕事にならないから、私はパサッと休んじゃいます。その分働けるときは業務を詰めて進めて。いつ休むかわからないぶん、今日できることをやってしまおうって、仕事の効率をすごく考えるようになりました。

中村:メーカーに就職して数年働いて、ある程度キャリアもある中で仕事をあきらめたくないですよね。我が身にならないとわからないこともあるけど、会社のなかで専門の技術開発をやり続けたいです。

村田:完璧じゃなくていいですよ。以前は完璧主義だったけれど育児であれこれやるのはもうだめだと割り切って。70点でいいです。会社のみなさんにちょっと甘えさせてもらって。それだけで会社への安心感があるんです。それに周囲の優しい気持ちがわかるからゆくゆくは支えていけたらなって。もっとこういう人材増やしていこうよ!みたいな。

中村:そうなんですね、とても心強いです。今「リケジョリケジョ」って言われますけど、最近出てきたワードで、お子さんをこれから持とうかどうしようか瀬戸際な方も多いですよね。層が厚くなっていくとそういう情報も増えていくのでしょうけど、今はまだ足りない気がして...もっともっと知りたいです!

working-life-30_12.png

最後は SEAJ のキャラクター
「はんぞうくん」と記念撮影

本日ははるばるお越しいただいて、貴重なお話をありがとうございました。学生時代に勉学や実験に打ち込んだ経験から今のキャリアがあって、仕事もプライベートも充実している今、ライフステージが変わってもこの道を進みたい!という強い気持ちにあふれていてとても素敵でした。今後のご活躍も応援しています。

今回に続いて次号の「SEAJ Journal12月号」でも女性技術者として半導体製造装置業界で働く方の座談会をお届けします。

(SEAJ 広報部 石黒なつみ)

Follow SEAJ x
To Top